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FFEEL
Interior
Dates: 2020/12-2021/3
Site: Chiba, Japan
Building use: Café
Site Area: --㎡
Total Area : --㎡
Photo by Yoshiro Masuda
千葉県茂原市にて約160年間続く大和屋旅館。この老舗旅館は地元民から惜しまれつつその歴史に幕を閉じようとしていたが、先代の意思を引き継いだ娘の6代目が、令和に入り変わり行く時代とともに生まれ変わった大和屋「FFEEL」をオープンした。
旅館の離れの客室約100㎡の空間を使ったカフェへの改修計画。
オーナー兼バリスタの施主からお客様とのコミュニケーションを大切にコーヒーを提供したいとの意向を受け、スタンディング席としても使えるビッグカウンターを設置し、その横には気軽に座れるベンチシート、奥にはゆっくり寛げる小上がり席を配置し、店主とお客様とのほどよい距離感を意識した。窓の外には季節の植栽や鯉が泳ぐ池が広がっており、贅沢なテラス席としても活躍している。カウンター横にはテイクアウト用の小窓を設け、街の人が気兼ねなく立ち寄れるように計画した。
また既存建物の柱梁や壁、天井のカラートーンを継承し風情ある旅館の名残を存分に残しつつ、新旧の素材が心地よく共存するバランスを図った。
幼い頃はこのあたりにも人がもっとたくさんいたのだと、寂しそうに話す6代目が印象に残っている。大和屋旅館が立地する商店街も類に違わず大型商業施設や世代交代についていけず、大半がシャッターを下ろしている。
先代から顔なじみの近所のおじちゃんがドリップコーヒーを飲み、SNSを見た県内の大学生がクラフトコーラとサンドイッチをつまむ。この改修計画が大和屋旅館の新しい一歩として生まれ故郷に賑わいをもたらし、この先、残存する母屋の活用や衰退した商店街の再生の足掛かりとなることを期待している。
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